家の中が片づかない原因のひとつとして「モノが多過ぎる」ことは容易に想像できます。
いったい何が多いのでしょうか。
いろいろありますが、わたしは「洗剤の種類が多い」ことも原因の一つだと考えています。
ハンドソープ、ボディソープ、シャンプー、クレンジング、洗顔フォーム、食器洗い洗剤、トイレ用洗剤、浴室用洗剤・・・。数え出したらキリがありません。
今回は、増え続ける洗剤ボトルから解放される方法、つまりこれひとつあれば全部まかなえちゃうよ!という「石けん生活」について書きたいと思います。
こういったボトル、すべて不要になります!
目次
石けん生活とは何か
「石けん生活」について聞いたことはありますか?
一般的に定義がはっきり決まっているわけではありませんが、わたしはそれを「合成洗剤を使わずに、石けんで暮らす」こととしています。
わたしは20代である本に出合ったことから石けん生活を始めました。それ以来シャンプーは使わず、髪は石けんで洗っています。ひとり暮らしを始めてからは、食器も服も石けんで洗うようになりました。そして、結婚してからも続けています。
人に話すと驚かれることも多いのですが、とても快適なのですよ。
石けんひとつで何でも洗えるので、用途別に洗剤を用意する必要が無くなります。ミニマリスト生活にも効果大!なのです。
なぜ石けんを使うのか
わたしは、何かを洗うときいつも石けんを使っています。
顔も、髪も、身体も、食器も、服も、いつもひとつの石けんを使います。
なぜ石けんを使うのか?それは、汚れが良く落ちて洗い上りがさっぱりと気持ちいいから。それが理由の一つです。
しかし、それは石けん生活を始めてからわかったことでした。
最初に石けんを使うきっかけとなったのは、ある本でした。
このシリーズを読んで、化粧品と合成洗剤の恐ろしさを学びました。その流れで、
このシリーズも読みました。そして、試しに石けんを使ってみたら、思った以上に使い心地がよくすっかり石けんのファンになったのです。
どんな石けんを使っているの?
石けんにもいろいろ種類があります。
いい香りのする浴用石けん、手を洗うための手洗い石けん。
でも、わたしが使っているのは「純石けん」と呼ばれる「石けん成分以外の余計なものが入っていない石けん」です。
例えばこれ。ミヨシの NEW純せっけん。
例えばこれ。ミヨシの白いふきん洗い。
この2つは、100円ショップでも見かけます。
でも、まったく大丈夫だよ。
洗濯用、台所用、ふきん洗い用、なんて書いてあるとびっくりしますよね。でも、これみんな顔にも髪にも使える石けんなのですよ。ポイントは、成分です。
上に挙げた石けんのいずれも、成分は脂肪酸ナトリウム(純石けん分)。98%がこの純石けん分で、それ以外のものが入っていません。
こちらも脂肪酸ナトリウム98%ですが、こちらには保湿成分として、アロエエキスが配合されています。
わたしが使っている石けんは、こういった「脂肪酸ナトリウム」がメインの成分で、なるべく他のものが入っていない石けんです。
本を読んで合成洗剤の恐ろしさを知った、と書きましたが、わたしは専門家ではないのでそれについてここで詳しく書くことはしません。興味のある方は、シャボン玉石けんのウェブサイト「石けん」と「合成洗剤」の違い を読んでみてください。
シャボン玉石けんも大好きな石けんです。ただちょっとお値段が高めなのであまり使う機会がありません。
シャボン玉石けんの成分は「石ケン素地」ですね。
ほかにもたくさん純石けんは売られています。商品のパッケージ裏面を見て、脂肪酸ナトリウムと書いてあれば、それは石けん成分です。なるべく脂肪酸ナトリウム(または石けん素地、カリ石けん素地)だけで作られているものを選びましょう。
純石けんであれば、食器も服も、顔も身体も髪も洗えます。
どんな風に洗うの?
ひとつの石けんで顔も身体も髪も洗うというと驚かれます。パッケージには洗濯用、食器用と書いてあるので当然ですよね。
でも、成分については上に書いたように、純石けんであればまったく問題ありません。わたしがどのように石けんを使っているのか書いていきますね。
石けんで顔と身体を洗う
石けんで顔や身体を洗うのは特に珍しいことではありませんね。
顔を洗うときには、泡立てネットを使ってあまりこすらないようにして洗っています。
洗顔後には、無印良品のホホバオイルで保湿して、スキンケアは終わりです。化粧水は使いません。
石けんで髪を洗う
これがいちばん驚かれることです。
でも、石けんシャンプーってありますよね。ナチュラル派の方に支持されています。
わたしもかつて石けんシャンプーに挑戦したことがありますが、なんだかんだで固形の純石けんに戻ってしまいました。洗い方は以下のとおりです。
石けんで髪を洗う手順
①髪を十分に濡らす
②石けんを手のひらで良く泡立て、髪になじませる
(泡立たないときは、石けんを直接地肌につけて軽くこするようにする)
③たっぷりの泡で地肌を洗う
④お湯でよく流す
⑤石けんのアルカリ分でギシギシになるので、リン酢をする(やり方はこのあと)
⑥洗面器に少しお湯を張り、椿油(オリーブ油、あんず油)を数滴たらす
⑦髪全体に⑥をいきわたらせてお湯でよくすすぐ
ポイントは、⑤にあるリン酢ですね。
髪は酸性なので、アルカリ性の石けんを使うとギシギシになります。ひどい手触りです。それを酸性に戻すためにリン酢が必要なのです。
洗面器に半分ほどお湯をためて、クエン酸を大さじ1くらい(目安でOK)を溶かします。クエン酸の代わりにレモン汁、食用のお酢でもOK。お酢を使っても、髪にお酢のにおいは残りません。
ギシギシの髪をリン酢に浸すと、瞬時に手触りがしっとりさらさらに変わります。まさに化学変化!
クエン酸は100円ショップに売っているものでも、ドラッグストアで見かけるものでも使えますよ。
石けんで食器を洗う
これは簡単ですね。スポンジに石けんをこすりつけて泡立たせ、普通に洗うだけです。
泡切れもよく、合成の食器洗い洗剤で感じる、すすいだあとのヌルヌルは感じません。
石けんで服を洗う
これもご想像のとおりです。でも、固形の純石けんを使うのは、手洗いをするときだけですね。
下着やエコバッグなど、手でサッと洗いたいときに、手元で泡立たせて洗います。すっごくきれいになりますよ。
洗濯機で服を洗うときは、液体の洗濯石けんを使います。
石けんを使うメリット
ここまで、どんな石けんを選んでどんな風に使っているのかを書いてきました。
だいたいは一般的な使い方だと思いますが、シャンプーについては「面倒くさそう」と思った方もいらっしゃると思います。しかも、長く合成のシャンプーで髪を洗ってきた方は、初めて石けんを使うと髪がまったくまとまらず、また洗髪中のギシギシの手触りにびっくりしてすぐにやめてしまう人も多いと聞きます。でも、そこががまんのしどころ。しばらく続けていると、ウソみたいに髪がまとまるようになります。わたしは、今では美容院で合成シャンプーで洗った後は髪がまとまらずに苦労しています。
そんな面倒くさいことをしてまでも、なぜ石けんを使うのか。
それは、やはり合成洗剤に対する不信感ですね。明らかに地球にとってよくないからです。
ここで、わたしが考える石けんを使うメリットをあげてみます。
身体と環境にやさしい
泡切れがよく、サッと石けん分が落ちるので、肌や髪への残留が少ないこと。
石けんは分解されやすく、自然を傷めないこと。
家の中が片づく
冒頭で書いたとおり、家の中にはたくさんの洗剤があります。
食器用、トイレ用、浴室用、シャンプー、ハンドソープ、ボディソープ、洗顔フォーム・・・。
これがすべてひとつの石けんでまかなえるとしたら?
増え続ける○○用洗剤のボトル、不要になります。場所も取らないし、在庫の管理もらくらく。石けんの在庫さえ持っておけば安心なので、あれがない・これがないという困ったことにもなりません。
ちなみに、トイレ掃除には洗濯用の液体石けんを薄めたものをスプレーボトルに入れて使っています。
旅行の持ちものが減る
旅行するとき、石けんひとつあれば顔も髪も身体も洗え、衣類の洗濯もすることができます。シャンプー、洗顔、その他いろいろを持ち歩く必要がないので、荷物がシンプルになります。
髪が強くなった
合成シャンプーを使っているときは、とにかく枝毛が多くてパサついていた髪ですが、石けんで洗うようになってからは傷みの悩みから解放されました。
高校生の頃から、このシャンプーがダメなら、新しく出たこっちのシャンプーを試して・・・、とやっていたのがウソみたいに髪が傷まなくなり、枝毛なんてもう20年以上できたことがありません。
髪自体のことで、石けんで洗っていることに後悔したことはないし、やめる理由も見当たりません。
石けんを使うデメリット
では、ここで石けん生活のデメリットもあげておきますね。わたしからすればたいしたデメリットとも思えないのですが、これはもしかしたらデメリット?と思っていることもあります。
石けん受けが石けんだらけ
これってデメリット?とも思うのですが、濡れた石けんが付いて固まったものがいつでも石けん受けに付いています。
うちではキッチンでも洗面所でも無印良品のステンレスソープディッシュを使っていますが、網(?)のところが石けんだらけです。いつも、これを取ってキレイにしたい!気持ちになりますが、取ったカスも石けんなんですよね。
まぁ、これについては石けんである以上仕方ないのでは・・・と思います。
減りが早いので節約にはなりにくい
キッチンで使っている食器洗い用の石けんはわりとすぐになくなるので、節約になっているか?と言われると微妙です。
合成洗剤の食器洗いは、きっとひと瓶で何カ月も持つのでは?と推測しますが、石けんはそうはいきません。感覚で言うと、1カ月に一つ以上の石けんを消耗していると思います。
同じ成分なら、190gのこちらがお買い得ですね。
うちもまとめ買いをしています。
変な人扱いされる(可能性がある)
髪を石けんで洗ってお酢でリンスする、みたいな話をすると「え?なに?この人大丈夫?」という反応をされることがあります。
最近では環境に配慮している人が増えてきたのでそこまでではありませんが、20数年前にわたしが石けん生活を始めたときは「頭がおかしい人」扱いをされたこともあります。
カナダ留学中に手持ちのクエン酸を切らした私は、まだクエン酸を探し求める英語力が無かったため、スーパーマーケットで食用のお酢をリン酢に使っていたら、ホストマザーの友人にやはり変な目で見られました。彼女の中では「日本人ヤバい」みたいになっていたようですが、わたしは面倒くさくて特に説明もしませんでした。
今となっては、どうでもいい話です。
以上いくつかあげてみましたが、わたしにとってはデメリットとは言えません。合成洗剤を使うより環境をいじめていないというだけで、すべて気になりませんので。
石けん生活について まとめ
ここまで、わたしがしている「石けん生活」について書きました。
石けん生活ここがポイント!
・石けんは何にでも使える(顔、髪、身体、食器、服、何でも洗えます)
・使うのは、脂肪酸ナトリウムだけでできている純石けんを!
・環境に優しいし、髪も強くなる
・家中にある洗剤のボトル、すべて不要に
思いのほか、さまざまなことに使える純石けん。
わたしは、合成洗剤の害→石けんを使う→いろいろある洗剤のボトル要らないじゃん♪→モノが少なくなる
という順番で、偶然にもミニマリスト的ライフスタイルに行き当たりましたが、これから家の中のモノを極力減らしてシンプルに暮らしたいと考えている方にも是非石けん生活を試してみていただきたいです。
そして、普段なにげなく使っている合成洗剤についても、多くの方に知っていただきたいな、と思います。
この本もおすすめです。石けんでアレルギーが治った!という感想もあるほどです(※使用感には個人差があります)。