2011年に作った、香港HSBCの口座を解約しました。
(解約が完了したのは2023年5月です)
もともとは海外のファンドに積立投資をするために作った口座です。
しかし、近年そのファンドを持ち続けていることに大いなる疑問を抱き、マイナスの状態ではありましたが思い切って解約。
それに伴って、不要となった香港HSBCの口座を解約することとなりました。
頼れる先がなかったため、現地の銀行とチャットと電話で連絡を取りながらすべて自力で手続きを進めました。
諸事情があり半年がかりになってしまったのですが、手続きが完了し残高が日本の口座に送金されたときの解放感といったら!
今回は、どのように手続きを進めていったのかを記録として残します。送った手紙のサンプルも掲載しました。
同じように解約したいけどどうしたらいいかわからないという方の助けになればと思います。
この記事の前提
・口座凍結されていない
・オンラインバンキングを利用している
・HSBCの署名(サイン)がどれかわかっている
※個人の経験なので、これが解約のためのベストな方法かどうかはわかりません。飽くまでも、ひとつの方法として受け止めていただければと思います。
2023年12月に読者の方から、わたしのこの記事を読んで郵送での解約が無事にできましたと報告をいただきました。
サンプル通りの文章を送って問題なかったそうです。長年の悩みが解決できましたと丁寧なお礼のメッセージをいただき、お役に立てたことを本当にうれしく思います。
目次
数カ月考えたのちに、海外の積立ファンドを解約することに決めた
知人の紹介で、海外の積立ファンドを始めたのが2011年のこと。
積立ファンドといっても保険商品で、中身は手数料の高い投資信託でした。それでも資産が増えているならよかったのですが、10年経っても全然増えない・・・。
片や、同じ頃に始めた国内のインデックス投資が、いくつかの銘柄で倍以上に増えている。
うーーーーーーん、と考えること数カ月。解約を決めました。
(だって、ブレグジットやコロナのパンデミックがあったとはいえ、世界的にはファンドの状況は決して悪くなかった。にもかかわらず、10年以上積み立てていて依然としてマイナス続きって、なに?)
解約の背中を押してくれたのが、YouTubeで大人気!リベ大のこの動画です。
「解約するべきと分かってはいても、今解約すると元本割れになるから解約できない」このループにわたしもはまり込んでいました。
もう少し持っていようかな。
もしかしたら上がるかもしれないし。
また後で考えよう。
そう思って何カ月も放置。
「今解約すると解約返戻金はいくらですか?」と問い合わせてみるも、回答の金額を見ると「あーーー!」と思いつつ、行動できない。
そんなことを繰り返していました。
しかし!昨年の11月、重い腰を上げて解約手続きを進めました。
「これ以上ここに時間を割くのは本質ではない」と気づいたからです。まぁ。。。。時間がもったいないですよね。
海外ファンドの解約はできても 香港HSBCの口座解約の面倒は見てもらえない
大きな元本割れがありつつも、海外ファンドの解約はスムーズでした。
エージェントに連絡し、送金先に日本の銀行口座を指定して連絡を待つ。郵送のやり取りにはなりましたが、手こずることもありませんでした。
日本の口座に解約返戻金が振り込まれたのは2022年11月10日。
ちょうど円安の時期だったこともあり、それが精神的苦痛をいくぶん和らげてくれた結果となりました。
(実は、入金された翌朝、急激に円高に振れてヒヤヒヤしました)
しかし、後日送られてきた外国送金計算書の備考欄に「FULL SURRENDER POOR INVESTMENT RETURNS」と書いてあってびっくりました。要するに、貧弱な投資だったってことです。こんなにハッキリ書かれちゃうなんて💦
それはそれとして、残ったのは香港HSBCの銀行口座です。
積立の原資をそこからファンドに送っていたので必要だった口座ですが、ファンドを解約してしまったらもう必要ありません。
もちろん、全世界でATMから現地通過で引き出しができるなど、いいところもたくさんある口座ですが、これまで海外にいても結局その口座からお金を引き出すことはなかったので、やはり必要ないと判断しました。
かつては父が働いていたこともあり、学生時代によく出入りをしていた思い出の地、香港です。
今でもその時に両親とやりとりした手紙のいくつかは手元に持っています。
しかし近年の混乱により、香港はもうわたしが知っているかつての香港ではなくなってしまいました。
調べてみると「香港観光ツアー」を見かけるので、完全に渡航が難しいわけではないようですが、正直もう行くこともないだろうな・・・と思っています。
またわたしに万が一のことがあったら、夫がその口座の整理をできるとも到底思えないし、かえって迷惑をかける結果になるだろうと思い、口座を閉じることにしました。
問題は、ファンドを扱っていたエージェントでは、銀行口座の解約までは面倒を見てくれないこと。
わたしが香港まで行けば、同行してくれるサービスもあるようでしたが(そもそもわたしが香港に行けるなら同行サービスは不要。自分でなんとでもします)。
ここでわたしのゴールはハッキリしました。それは、
自力で香港HSBCの口座を閉じること
香港HSBCとのやり取り 定期預金解約から口座解約まで
香港HSBCの口座を解約・・・で検索すると、さまざまな代行サービスが出てきます。
サービスによっては代行手数料が15万円超えのものもあり・・・震えました。
しかしわたしは決心しました。
せっかく英語がわかるんだから、自力でなんとかしよう。自分に15万円の価値を持たせるんだ!
問題は、口座内でオーストラリアドルの定期預金をしていたことなのです。
定期預金の解約指示を郵送で送る
香港HSBCでは、定期預金を始めるのはオンラインでできますが、解約はオンラインでできません。
行きはよいよい帰りは怖い とはまさにこのことだな、と始めた後で思いました。
まずはこの定期預金を解約しなければいけません。
解約方法がわからなかったので、オンラインバンキングで自分のページに行き、チャットで解約方法を訊ねました。
定期預金の満期前の引き出しや解約は利息が支払われないばかりか、違約金の徴収があるので満期後がよい
解約には、香港にある支店に直接出向くか、郵便で指示書を送るかのどちらか
香港には行けないので、指示書を送ることにしました。
指示書には以下が含まれている必要があります。
・口座番号
・どうしたいのか(指示)
・署名
これに従って、以下の文面をWordで作成しました。最後の署名以外は、タイプした文章です。
手紙を作成した日付を右上に入れる
Dear Payment Services Department,
The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited
I, 自分の名前 would like to cancel my time deposit at the maturity date.
My account number is 口座番号. It has 定期預金の種類(私の場合オーストラリアドルなので、AUD time deposit).
Time deposit account:口座番号
Deposit number:オンラインバンキングで表示される番号
Deposit type:オンラインバンキングで表示される種類(私の場合 Fixed Deposit でした)
Amount:手紙を作った日現在の残高と通貨名(例:〇〇〇〇 AUD)(残高を確認した日付)(例:As of 8th June 2023)
Period:何カ月満期か(私の場合 6 month(s) でした)
Placement date:前回の満期 (例:15 Jan 2023)
Maturity date:次回の満期(例:15 Jul 2023)
I would like to cancel my time deposit above and would like you to send the balance to my HKD Savings. Not right away, at the maturity date of 15 July 2023.
(定期預金を解約したいので、私の香港ドル口座に残高を送ってください。すぐにではなく、次の満期である2023年7月15日に解約してください)
Best Regards,
自分の名前
account signature
自分の届出署名(サイン)をはっきり大きく書く
これを、チャット内で指示された下記の住所宛に、国際書留郵便で送りました。
Payment Services Department
The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited
1/F Tower 2 HSBC Centre
1 Sham Mong Road
Kowloon
Hong Kong
電話で定期預金解約の本人確認が来る
1週間ほどすると、登録している携帯電話の番号宛に確認の電話が来ました。香港HSBCは、何か変更があると(住所変更など)必ず本人宛に確認の電話が来ます。今回も、下記の内容で確認がありました。
・こういう手紙が来たが、本人が書いたもので間違いないか
・内容がこうなっているが間違いないか
私は間違いないと伝えて、念の為「すぐの解約ではなく、来年の満期のタイミングでの解約だから」と伝えて電話を切りました。
そして、待つこと4カ月。満期のタイミングで定期預金は解約され、残高は無事に香港ドルの口座に入りました。
ネイティブスピーカー同士の会話ではないので電話は毎回手こずります
口座解約の手続きを始める・・・が一度失敗
次に、口座解約の手続きを始めました。
まずは、オンラインバンキングでできるところまで進めようと画策。
残高を日本の銀行に送るために、マイページから送金先の銀行口座登録をしようと試みるも、立て続けに失敗します。
どうやら登録に必要な本人確認が足らない様子。そのためには、HSBCのアプリをスマホにインストールして本人確認用のワンタイムパスワードを発行する必要があると知ります。
何年も前に届いていたワンタイムパスワード生成用のセキュリティデバイス(小さい計算機のような機器)も電源が入らず使えないし、銀行側でも使用をストップしてるようだし・・・。
しかし、もう口座を解約したいのに、アプリのインストール〜本人確認なんて本当に必要なの?と思って、またまたチャットで訊くことにしました。
すると、書面で手続きできるからと解約用の用紙の雛形を案内されました。
またそれがものすごく長い書類なうえに、何をどこに書けばいいのかわからず、最終的に書くのを諦めました。がんばって書いても、きっとどこか書き漏れをして提出し直しになるだろうし。
そして、前回と同じように書面に、
・口座番号
・どうしたいのか(指示)
・署名
が入った手紙をWordで作成し、前回と同じく香港HSBC宛に送りました。
しかし、しばらく待っても確認の電話が来なかったため、2週間ほどしてチャットで問い合わせをしました。
すると「手紙の確認には時間がかかるからもうしばらくお待ちください」との回答。
しかし、問い合わせから2週間ほどしてもまだ連絡がなかったため、再度チャットで問い合わせると「数日中に電話をするからお待ちください」とのことでした。
すると、数日後本当に電話がかかってきました。
しかし、「香港ドルを日本円に換金して」という一文が手紙に無かったため手続きができないと知らされただけでした。
確かに、それ、書かなかった・・・。大失敗です。
再度手紙を郵送するとSMSで解約の知らせがあった
そこから数日後、香港HSBCから「換金通貨の記載がなかったため手続きができない。再度換金情報を知らせてほしい」という書面が届きました。
急いで下記のように手紙を作り直して、郵送しました。
手紙を作成した日付を右上に入れる
Dear Payment Services Department,
The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited
I received your letter as of 銀行から手紙を受け取った日付(例:31 March 2023).
Ref: 手紙にあった問い合わせ番号
I added the remitting currency of Japanese Yen.
(問い合わせ番号〇〇番の書面を受け取りました。換金通貨の情報を日本円で、と足しました)
I, 自分の名前 would like to close my bank account and get my balance sent to my bank account in Japan as soon as possible.
(できるだけ早く口座を解約して残高を日本の銀行口座に送って欲しい)
My account number is 口座番号.
My balance is 手紙を作った日の残高と日付(例:〇〇〇〇 HKD as of 5th April 2023).
I would like you to convert my deposit (the balance) to Japanese Yen, send my balance to the following my bank account in Japan and close the account. The transfer fee should be deducted from the account.
(残高を日本円にして、以下の日本の銀行口座に送り、口座を解約してください。送金手数料は残高から差し引いてください)
If the following first bank doesn’t work to send my balance, the second bank should be selected.
(もしも下記の一つ目の銀行口座が使えなかった場合、二つ目の銀行口座に送ってください)
Beneficiary Bank information: 1st
SWIFT Code/BIC : 各銀行のコード
Beneficiary Bank Name : 各銀行の英文名
Branch Name. : HEAD OFFICE
Beneficiary Bank Address : 銀行の住所
Beneficiary Account Number : 支店番号-口座番号
Beneficiary Name : 自分の名前を英文で
Beneficiary Address : 自分の住所を英文で
Beneficiary Bank information: 2nd
SWIFT Code/BIC : 各銀行のコード
Beneficiary Bank Name : 各銀行の英文名
Branch Name. : HEAD OFFICE
Beneficiary Bank Address : 銀行の住所
Beneficiary Account Number : 支店番号-口座番号
Beneficiary Name : 自分の名前を英文で
Beneficiary Address : 自分の住所を英文で
Best Regards,
自分の名前
account signature
自分の届出署名(サイン)をはっきり大きく書く
今回、楽天銀行に送ってもらうよう申請したのですが、ネット銀行なので、念の為に二つ目の銀行としてメガバンクの情報も送っておきました。
結果的には楽天銀行に送金されましたので、問題なかったようです。
銀行の英文名や住所は、各銀行のウェブサイトに書き方が出ていたので、それをそのまま使いました。
手紙を送ってしばらくしたらまた電話が来るかな?と思っていたのですが、手紙を出して3週間後、SMSで「Your account has been closed as instructed.」というメッセージが届き、電話の確認はありませんでした。
そして、そのSMSのメッセージから3日後、楽天銀行から「海外から送金があるので、受け取りの手続きをしてください」とメールがきました。手続きをすると、即時着金となり、同時に受け取りの手数料(2,450円)も引かれ、口座解約が終わったのでした。
しばらくすると、香港HSBCオンラインバンキングにログインしてもアカウントがないという表示がされるようになり、完全に口座がなくなったことが確認できました(後日届いた郵便で、HSBC側の送金手数料が370香港ドル:約6,500円だったことを知りました)。
長かった・・・。半年くらいかかりました。
円安の恩恵を受けたからマシだったけど・・・買った時点で損しているは本当
2011年頃は、1米ドル=76円など、異常とも言える円高でした。
その頃に外貨に換金して積立を始め、今回ちょうど円安のタイミングで解約、日本円に換金できたのは本当にラッキーでした。
そうでなければ、もっと酷いマイナスになっていたと思います。それを考えると胃が痛くなります。
リベ大の動画にもあるとおり、貯蓄型保険は「今解約すると損をする」のではなく「買った時点で既に損をしている」のだと痛いほどわかりました。
わたしは海外の積立ファンド(という名の保険商品)でしたが、日本国内の商品でも同じです。
解約しようかどうしようか悩んでいる人も多いと思うので、上記に貼った動画を始め、いろいろ調べてみてください。
損していることは確定なので、いつ解約しても同じです。
マイナスになった分は、掛け捨ての保険を解約したんだ、と思えば割り切ることができます。というよりそう思って割り切るしかありません。
資産管理はシンプルに
海外の銀行口座、無事に解約できて本当によかったです。終わらなかった宿題がやっと終わった気分。
自分に何かあった時、家族に迷惑をかけるような資産管理はダメだなと実感しました。家族が何もしなくていいように、資産の管理人をつけられるならともかく、そうでないなら資産管理はなるべくシンプルにしておくことが原則だな、と思います。
そして、自分がしようとしている投資活動が、どんなものなのかをしっかり理解できるまで勉強することが必要ですね。本当に情弱は損するようにできています。
時間はかかったものの自力で解約ができたので、一種の自信にはなったものの、スタート時点から大きく間違っているので複雑な気分です。
今後はより自分と家族が管理しやすい、シンプルな形で管理できるようにしておきたいです。