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女らしいってなに?NHKドラマ「トクサツガガガ」を観てこころが痛むこと

2019年2月25日

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1月からNHKで始まったドラマ10「トクサツガガガ」(毎週金曜日22時~)を楽しく観ています。
公式サイトはこちらから→ トクサツガガガ

毎回、可愛らしい小芝風花ちゃんと、特撮シーンで垣間見えるNHKの本気を楽しんでいますが、観ていてこころが痛むシーンも出てきます。今回は、母と娘の人生について書いてみたいと思います。

子どもの幸せが親の幸せというけれど・・・

トクサツガガガとは

2019年1月18日スタートの連続テレビドラマで全7回。この記事がアップされる次の回が最終回です。NHK総合「ドラマ10」の枠で毎週金曜日22時から放映されています。原作が漫画であるみたいですが、わたしは読んだことがなく、このドラマで初めて「トクサツガガガ」の存在を知りました。

主演の小芝風花ちゃんがとにかく可愛いっ!朝ドラ「あさが来た」では、ヒロインに反抗する娘役という損な役回りで、共演していた吉岡里帆さんに差をつけられた感じがありましたが、このドラマで確かな演技力をアピールしているので今後の活躍が楽しみです。

幼いころから特撮が大好きな主人公の叶(かの)ちゃんは、好きなものを好きだと堂々と言えず、隠れオタとして生きています。が、少しずつ仲間を増やし、自分の好きなものに自信を持ち、自分自身にも自信を持ち始める・・・というストーリーなのですが・・・、みてて辛くなるのは、お母さんに否定され続けていること。子供の頃から「特撮なんて男の子のもの。あんたにはもっと女らしいなって欲しいんよ」と、自分が好きなものをことごとく否定され、大切にしていた本を焼かれ、女の子らしくなることを強要され続けているヒロインが、もう可哀そうすぎて・・・。そのままでも充分女の子らしいのですよ。

本当はシンプルですっきりした服が好きなのに、お母さんに会うときだけはフリフリのブラウスや花柄を着てカモフラージュし取り繕っていますが、そんな嘘はいつまでも続きません。

前回(3/22)の第6話では、ついに我慢できなくなって(お母さんにひどいことをされたのがきっかけですが)爆発してしまいます。次回の最終回でどんな決着をみせるのか楽しみですが、叶ちゃんには幸せでいて欲しいと思います(だって本当に可愛いのです。健気だし優しいし思いやりがあるし。わたしだってできればこういう人になりたかった)。

女らしくなって欲しい

ドラマの中で繰り返し流される幼い頃の回想シーンがあります。お母さんに「女らしくなってほしい」と言われて戸惑う叶ちゃん。自分はおかしいんだと思って困惑する表情。でもお母さんのいう女らしさを、自分はあまり好きではない。

じつはこれ、わたしも子供の頃、母に結構言われていました。小学1年生から中学3年生までの義務教育9年間、すべての通知票の保護者からのひと言欄に「もっと女の子らしく」「もっと女性らしく」の文字が並んでいました。母はわたしに何を求めていたのでしょうか。

確かに、小さい頃からオンナオンナしているものは苦手でした。ピンクもいいけど黄色のほうが好きだったし(今思えば恥ずかしかっただけかも)、男の子とケンカして黙らせたことも多々ありました。でも、小学生の頃は髪も長くしていましたし、パンツよりはスカートを履いていることが多かったし、少女漫画(りぼん派)が大好きで、塗り絵や折り紙やお絵かきが好きな、どちらかというとインドアの子どもでした。

やっぱり、屏をよじ登ってスカートを破いたり、木登りをしたり、川からおたまじゃくしを山ほど拾って来たりしたのがいけなかったのでしょうか・・・。でもみんなやりますよねこれくらいのこと。

女らしくない女の子だと困るのは誰か

ドラマの中の叶ちゃんのお母さんは、自分も花柄やフレアスカートのようなデコラティブな服を着ています。わかりやすい女性らしいデザインや色の服です。そして、自分と同じような服装を娘にも求めます。叶ちゃんは健気にも、お母さんに会うときは自分もそのような服を着て、母の期待を裏切らないように一生懸命カバーするのです。特撮好きのことがばれないよう、お母さんに話を合わせます。

でも、服なんてその場面に合っていて、きちんと着ていれば本来どんなものだってかまわないのですよね。このシーンを見るたびに、母が抱く娘への幻想を、強要されていることに心が痛みます。

わたしの場合は、母は「大学を卒業したら、ちょっと働いていい人を見つけて結婚し、子どもを産む」娘の人生を思い描いていました。それが母の言う「女らしさ」だったのだと今はわかります。わたしも別にそれを否定したり拒絶したりはしなかったのですが・・・。でも、人生そう思い通りにはいきません。

毎日仕事で充実してた日々を送っていたのに、「結婚はまだか」とプレッシャーをかけてくる母が本当に嫌でした。結婚してない=わたしの人生全否定、と感じていたのですよね。自分では全然そんなこと思っていなかったのに、言われるたびに嫌な気持ちになって、つらい日々を送りました。

親は自分の理想を子どもにも抱きます。抱くものだと思います。わたしには子どもがいないので想像の域を出ませんが、娘としてはそれをひしひしと感じていました。結局は、娘が「女らしくない」とか「結婚していない」ことが、母親本人を傷つけるのだろうと思います。子どもが思い通りにならないことでいちばん困るのは、親自身なのです(たぶんね)。

母にとってみれば、自分が学校を出て、少しお勤めをして、結婚退職して子育てをして・・・という人生を歩んできたのに、娘が違う道を進み、あまりにも楽しそうにされてしまったら、まるで自分の人生を否定されているような気になっていたのかもしれません。

母はわたしが30歳のときに亡くなってしまったので、今となっては確かめようもありませんが、申し訳ないなぁという思いもありつつ、やっぱりそんなわたしをわかって欲しかったな、という気持ちは、今もあります。

思うのは自由だけど強要はやっぱりダメ

お互い思い通りにはならないことをどれだけ割り切れるか、というのがストレスのない親子関係のコツかもしれません。だって、所詮は他人ですもの。子どもには子どもの人生があるし、それは親の人生とは違って当たり前です。親子関係に限ったことではありませんが。。。関係が近いだけに、複雑になりやすいのでしょうね。

別に親が子どもの人生に幻想を抱くこと自体は問題ありません。問題なのは、それを「べき」で押し付けてしまうこと。それが始まってしまうと行きつく先は地獄のみ。わたしだってそこまで毎日のようにグイグイ来られたわけでもないし、叶ちゃんのお母さんみたいな強烈にやられたわけでもありませんが、キツいことに変わりありません。

最終的にわたしが言ったのは、「もうわたしのことはあきらめて欲しい」というひと言でした。そして、物理的に離れるために実家を出てひとり暮らしを始めました。実家を出てすぐに母に言われてよく覚えていることがあります。

「目の前からいなくなると気にならないものねぇ。今ならあなたが言っていたことがわかるような気がする」

まさかそれから半年も経たずに両親が次々と亡くなってしまうなんて想像もしなかったけれど、このときは母の人生と娘の人生は違うものだということをうっすらとわかってくれたのだと思います。

でも亡くなっているからそう思えるのかもしれません。今も母が元気なら、娘が40歳まで結婚していないことや子どもを産んでいないことについてグダグダ言われていたかも・・・。いや、40歳になる前に無理やり結婚させられていたかも。そうしたら今の夫と出会うこともなかった!と考えると頭がくらくらしてしまいます。

最終回では、ハッピーエンドを迎えて欲しい

前回、お母さんに自分や友達を否定され、大切なものを目の前で壊され、さらに平手打ちされて我慢できなくなり、クソババア!と言いながら平手打ちを返してしまった叶ちゃん。育ててもらった恩とか学費とか、一生かかっても返すから!それでもう終わりだと宣言したラストシーンが目に焼き付いています。

またお母さん役の松下由樹さんの演技が素晴らしいのですよね。最終回でいったいどうなるのか?楽しみだけどちょっと怖い。ちょっと怖いけど、やっぱり楽しみなのです。

お母さーん!わかってあげてーーー!!!!

 

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マリゴールド

1970年東京生まれ/都内で夫とネコ2匹と暮らす/30歳でひとり暮らしを始めるまで、実家でひたすら「自分博物館」を作り上げ、その後大規模の片づけをくり返すうち自分なりの片づけの哲学にたどり着きシンプルライフに移行/ミニマリストもいいけど極限まで削りたいわけじゃない/「したいことだけする、したくないことはしない」の意味が最近わかり始めたところ/たまに英語を話します

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